17 Mar 2016

フリルドスイマー115F おさらい編

現在発売中のフリルドスイマー115fにつきまして、改めてご紹介となります。

こうして改める事にしたのは、昨年の発売が予定より2ヶ月程遅れた事に起因するのですが…。(本当に申し訳ございませんでした

最近、一般公開のイベント等に参加し、ユーザー様とお話しする中で、特に関東以北のお客様からシーズンオフの時期に発売となったため、まだ使うに至っていないとの声を多数頂きました。

また、そんな頂いた声の中から感じたのは、このルアーの事は充分にご紹介はさせて頂いたつもりでおりましたが、まだまだ説明不足であるとも感じたからです。

そこで、今回はおさらい編と称し、フリルドスイマーの最大の外観的特徴である”エリマキ”を分解し、このミノーを使う上で、少しでもお役に立てたらと、解説をさせて頂く事にしました。

ただし、以前にも記しましたが、これが絶対とかではなく、あくまでもゲームを組立て行く上での一つの参考としてです。

製作した我々でも、このミノーひとつでカバー出来る範囲に限りがあることも承知していますので、これからはそんな不足を補う為のルアーも順次仕上げていく次第です。



さて

この画像で分かると思いますが、ボディ断面に対し、帯状にエリマキが約2/3周ほどしています。これは以前からもご紹介の通り、もともとの原案自体がへドンの「#210サーフェース」への誤った認識から生まれたものでしたので、その雰囲気を踏襲している部分があります。


「せっかくなので少しだけ詳しく回想を交えて説明を加えますと…。」


趣味でハンドメイドルアーを作りはじめた頃、とにかくルアーの事が知りたくて、もっと知りたくて、様々な疑問や湧き溢れる好奇心に逆らうことなく、無我夢中で木材を削っていた中で出会った、あのシャンプーハットにスッポリと首を突っ込んだような、なんとも奇妙なデザインに興味を惹かれたのが始まりでした。

そのカラー(エリマキ)がリップの様な役割をし、ただ引くだけでルアー本体を左右にアクションさせるでは?これが初見での印象でした。当時は現物を手に入れる術を知らない私はまだ10代後半。

そこで、一刻も早くその正体が知りたくて、木材とアルミ板を用いて模倣してみたのでした。所が出来上がったものは、それまで抱いていたイメージとは全くかけ離れたものでした。(ただ巻きではアクションしなかった)ただ、その模倣品も見てくれだけは忠実(?)に再現してあったためか、決して悪いものでは無く、そのエリマキの効果というのか?その部品の持つ、まるで”ブレーキのような効果”は、”ルアー本体に特徴的な性能が与えられる”のだと言う事をその時に学んだのでした。

更に、模倣品への改造が始まり、「こんなのはどうか?」「こうしたらどうか?」何度も何度もヒートンを打ち直し、アルミ板のカラーを切ったり貼ったり、取り位置や角度を変更をする事で、エリマキミノーと称する原型はこの時に出来上がったのでした。



一般的にミノーを作る上でリップに対する考え方というのは、本体をアクションさせる事と、潜行させる事に大別されると思います。

しかし、それだけではフリルドスイマーの特徴である、レンジを下げにくいと言う性能を実現するには、とても矛盾してしまいます。

そこで#210で学んだ”抑える事””抑える役割を持つ構造”。つまり、一般的なリップに対する目的とは違ったの考え方を用い、予めリップ無しでも泳ぐボディに対し、適度なリップ(エリマキ)の抵抗によるブレーキをかける事で、目的とする性能を得たのが、このフリルドスイマーと言うことになります。


因みに#210自体も、あのカラーのブレーキ効果によって、小さな半径での粘りあるテーブルターンに飛沫の発生と、通常のペンシルベイトではちょっとマネの出来ないカバー回避能力までも生み出しているのです。



では、フリルドスイマーを使う(こなす)上で、もっとも大事なポイントは、前述の”抑える”=”ブレーキ効果”の部分を理解して頂くことが重要となります。具体的には”リーリング時に感じる引き抵抗を一定にしてあげる事です。”すると、このミノーは泳層を上下させず、前に進みすぎる事もなく、無駄に暴れる事をしません。

感覚としてはシンペンでも引いてるかのような”ふわっ”とした感じなのですが、引き抵抗はしっかりとしています。特に視界の効かないナイトゲームでは丁寧に丁寧に、一撃で仕留めるイメージで集中してみてください。自ずと結果に近づくと思います。

どちらかと言うと動きを抑えるように作っているミノーですから、人によっては扱いにくいとも感じるでしょう。しかし、実際にこれらを理解している弊社プロスタッフのフリルドスイマーによる昨年のランカー率を見るところ、このミノーの根底にあるコンセプトは間違ってはいないようです。

ただ、良いことばかりではなく、欠点もあります。あの性能を確立する為に諦めた部分と言った方が正しいですが、特にアップストリームでの立ち上がりだけは使い手側で補助してあげてください。強風でラインが大きく横にフケる場合も同様にコツを要します。

それとテスト期間中を振り返って見ても、総体的に表層ゲームを成立させられることは確認済みです。しかし、水温低下が進行した時期など、明らかにレンジダウンを余儀なくされる時は素直に別のルアーを使うことをお勧めします。純粋なシャローランナーですから、次の一手も曖昧にすることなく教えてくれるのです。

他にも細かい所に”ならでは”の特技を秘めておりますので、是非ともいろいろとチャレンジしてみてください。

こうした考え方は、次回作の”ナンバーセブン”に受け継がれ、まだ未公開の2WAYミノー”仮称スライドウィグラー”へと派生しています。一年間のテストではその3モデルのどれもが効果的に活躍する場面は確認済みです。どちらもほぼ完成していますので、これからのシーズンで仕上げて参ります。